ヒナコフスキーの表現定理

ソフィア=ヒナコフスカヤによる気まぐれ日記帳です

集合論言語とZFC公理系による数学の哲学のおはなし

こんにちは。気が付けば2023年も終わりを迎えようとしており、時の流れを感じております。 今日も懲りずに数学のお話を書くのですが、いつもの堅苦しい解説風の文体ではなく、ちょっとばかり柔らかい文体で書くことにしました。 今日書きたいのは「現代数学…

現代数学の基礎・集合論入門(1)-集合論言語と外延性公理

現代の数学は殆どの場合,集合を用いて議論が展開される.集合とは「数学的対象の集まり」として定義されるものである.これを用いることで,数学の議論を整理することができる.例えば,整数は「を整数とする」というように書いていた文は, を整数全体の集合と定…

ブール代数入門(3)-ストーンの表現定理

本稿は以下の記事の続きとして, Boole代数における重要な結果であるStoneの表現定理を紹介する. hinakovsky5.hatenablog.com 3. Stoneの表現定理 準同型写像と準同型定理 Def.3.1(準同型写像) Def.3.2(準同型写像の核) Def.3.3(対称差) Lem.3.4 Proof Lem.3.…

ブール代数入門(2)-素イデアル定理

本稿は,以下の記事の続きとして, Boole代数の基本的な定理である素イデアル定理を紹介する. hinakovsky5.hatenablog.com 2. 素イデアル定理 Def.2.1 Def.2.2 Lem.2.3 Proof Def.2.4 Def.2.5 Def.2.6 Lem.2.7 Def.2.8 Lem.2.9 Proof Lem.2.10 Proof Thm.2.11(…

ブール代数入門(1)-ブール代数の定義

本稿では,ブール代数の基礎と基本について記述する.ブール代数はイギリスの数学者ジョージ・ブール(George Boole, 1815-1864)によって考案された代数系で,電子工学や情報工学への応用が知られている.この世にある教科書やインターネットの内容の多くは工学の…